納品(医薬品の受け取りから棚入れまで)

発注をかけたあとは、卸のスタッフが医薬品を届けにきてくれる。

 

医薬品の受け取りから、棚にしまうまでの一連の業務を、薬局では慣例で「納品(のうひん)」と呼ぶことが多い。ちなみに「納品」という言葉は厳密には、卸から薬局へ医薬品の受け渡しをする瞬間だけのことを指す。しかしたとえば「仕入れ」と言ってしまうと、上記に加えて発注業務のことも含めて指すこともあるし、ちょうどあてはまる言葉は無いと思う。


納品の時は「検品」と言って、発注した内容と実際届けられた内容が合っているか、卸のスタッフと薬局のスタッフが一緒に確認する。伝票と医薬品が合っているか納品忘れが無いか数が合っているか、確認する。同時に、配送先がきちんと自分の薬局の名前になっているかも確認しよう。たまに違う薬局の薬が誤って持ってこられてしまうこともあるので。オーケーなら受領印を押す。薬局と卸の取り決めによっては検品が一部省略されることもある。

 

ところで、通常の納品では現金の受け渡しはない。月ごとにまとめて銀行振り込みでお金のやりとりをするのが普通。

 

納品が済んだら、医薬品を所定の棚にしまう(入庫、棚入れ)。棚入れを間違うと調剤ミスの原因になるので、入れ間違いのないようにする。名称、剤形、規格、メーカーを確認した上で棚入れしよう。また、例えば漢方薬なら、パッケージの色だけでなく、しっかり番号まで確認して棚入れしよう。間違えて棚入れしてしまうと、調剤ミスの可能性が格段に高まる。

 

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写真:医療用ツムラ漢方薬の小包装。番号と薬の名前以外の違いだけでパッケージは全く同じ。

 

 

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写真:名称が「ザ」で始まる薬だが、パッケージはほとんど同じ。ヒートである程度識別はできるのだが。

 

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写真:ヒヤリ・ハット事例集の重鎮、ミカムロAP、ミカムロBP、ミコンビAP、ミコンビBP。配合錠にばかり気をとられていると、実はミカルディスもほぼ同じデザイン。正直、写真を撮ったあと箱に戻すのが怖かったです。

 

同じメーカーの薬はだいたい似たような箱デザインが多い。これ以外でも、例えば同じ成分の薬は、デザインが似通っている。名称、剤形、規格、メーカーを確認した上で棚入れしよう。

 

また棚入れの際は「先入れ先出し」と言って、使用期限の近いものから順に手前になるように棚入れする。

 

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写真:先入れ先出しの一例。右利きの人はたいてい①→④の順に箱を開けていく。使用期限の短いものから開いていくように棚入れすればOK。

 

棚入れの際は、箱を無理につぶしたり、落として へこませないようにする。箱に傷がついたり、開封してしまうと返品の対象外になる。同じ理由で、特に用事もないのに未開封の箱を開けるのは避ける。前いた病院薬剤部では○○万円の医薬品が返品不能になったことがある…。

 

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電話発注 ~オペレーターさんとの通話のしかた

卸にはコールセンターが設置されていて、そこに電話して発注をかけることができる。が、電話発注は人から人への伝言ゲーム。伝達間違いやトラブルが起こりやすい。ここでは通話のしかたの一例を書いてみる。

 

「お電話ありがとうございます。△△卸の、□□です。」

★Point★ 電話をかけたとき、かけたj時間とオペレーターさんの名前をメモしておく。あとで発注を変更したくなったとき、納品時間の問い合わせをしたくなったときなど、役に立つ。

 

『お世話になっております。◯◯調剤薬局です。』

 

「お世話になっております。」

 

『在庫の確認、1点お願いいたします。◎◎OD錠、100mg、ヒート100錠入り、1本、です。』

★Point★ 「発注お願いします」ではなく、まず「在庫の確認お願いします」と聞くとよい。発注を受けつけてくれても、結局配送センターに在庫が無くて納期が遅れることがある。

 

「復唱いたします。◎◎OD錠、100mg、ヒート100錠入り、1本。在庫ございます。」

★Point★ コールセンターの人が最終確認してくれるので、規格をよく確認すること。特にOD錠と普通錠の間違いが多いので、しっかり確認する。

 

『ありがとうございます。そちらを次の定期便で納品をお願いいたします。』

★Point★ 納品時間の打ち合わせを忘れないこと。

 

「かしこまりました。では午後1番の便でお届けいたします。ご注文ありがとうございました。」

 

『ありがとうございました。』

 

発注が終わったら、発注した旨を周りのスタッフに簡単に伝えておこう。重複して発注をかけてしまうのを防ぐことができる。

 

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【雑記】診療報酬改定に寄せて 2. 言われたからやるんじゃない。必要とされたからやる。

今回の診療報酬改訂では、いままで私たちが無料サービスで行っていることが多かった「あまってきた薬の調整」や「急きょの家庭訪問」などが、保険適応(お金を取ってよいサービス)として認められました。患者さんにとってはお金がかかってしまうことになり、デメリットに感じるかも知れません。が、例えば「急に手術することになり、血液サラサラの薬をパック(1包化)から抜いて飲むように言われたが、どの錠剤だか分からない。しかも病院からもらった薬で、聞ける人がいない。」こんなとき薬局に相談します。間違いの無いように処理してもらいます。お金がかかってしまいます。が、それで万が一薬局に不手際があれば、遠慮なく薬局を責めてよいということです。お金を払っているのですから。逆に薬剤師もコソコソせずに堂々と家庭訪問に行けます。薬剤師の判断で患者宅に駆けつけて手伝って良いことが明記されましたから。

 

遅ればせながら私たちの薬局も、4月から在宅業務に携わらせていただくことになりました。これからは毎月患者さんの家を定期訪問します。それに際し、関係者の方から激励の言葉をいただきました。「医師も看護師も歯科医師も患者の家に行っている。外に出ていないのは薬剤師だけだとバッシングを受けている。頑張って欲しい。」と。

 

激励はありがたかったのですが、少し違和感も感じました。確かに薬剤師に怠け者は多いです。また、在宅業務に参画させない、形だけの参画にして利益を優先する薬局経営者が多いのも事実です。

 

しかし、私は、薬剤師会や医師会にどやされたから、4月から患者さんの家に行くのではありません。患者さん本人や周囲の人が、「あなたが必要だ」と言ってくれたから行くのです。自分にできることをやるのです。

 

外来服薬支援なども「お上からやれと言われたからやる」のではなく、「今まで私たちが取り組んできたことに(患者さんには申し訳ないけれども)手数料がつくことになった。」という印象でした。

 

薬剤師と言わず医療従事者と言わず、社会を構成しているひとりひとりひとりが、超高齢化社会問題に取りくまなければいけないのでしょう。マクロに世の中を見なければいけないのでしょう。ですが、それ以前に「必要とされるからやるんだ。」と言う原理原則を忘れないで取り組んで行きたいと思っています。「仕事とは、人に感謝されるようなことをして、お金を貰うこと。」です。これは綺麗ごとではなく、真実です。だから、それらもひっくるめて。患者さんがよりよい暮らしをして行けるよう私は薬剤師として働いて行きたいと思います。

 

ただ「薬剤師が働かない。暴利をむさぼっている。」という指摘は、これは他の業種すべてにも言えることですが、確かに言われてもしょうがない部分はあるとは思います。

それと、患者さんが飲み忘れを起こすことは、担当の薬剤師としては恥ずかしいことだと思っています。コンプライアンスの改善は非常に難しい問題ですが、1錠でも飲み忘れを少なくしていきたいものです。

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