1. 在庫数の管理 はじめに

ではいよいよ、在庫管理者の一番大切な仕事、「在庫数の管理」について説明していこうと思う。

 

ただし、始めに「医療従事者のための在庫管理」について誤解のないようにしておきたい。

 

まず、これを読んでいるほとんどの人は、「在庫をしぼる(在庫を削減する)」ことを当面の目標にしているのではないだろうか。

 

在庫を削減する前に大前提として、まず言いたい。我々医療業界の在庫は、ただ削減すればよいというものではない。これは冒頭に話した通りで、医薬品が欠品すると、最悪患者さんの命に関わる。在庫は人の命と健康を守る糧。

 

あなたの上司は在庫をしぼれというだろう。また、一般の在庫管理の本には「在庫は0が理想」と声高らかに書いてある。が、医薬品の在庫管理は、工場や量販店とは少し違う。我々にとって欠品とは、場合によって危険なこと。そして恥ずかしいことだ、と、私は思う。

 

しかし、だからといって!

要らない在庫を抱えて、経営者やスタッフを困らせるのは、欠品と同じくらいいけないことだ。会社の経営が苦しくなって、薬局の経営もままならなくなったら本末転倒だ。散らかった調剤棚で、スタッフの調剤ミスを誘い、患者さんを危ない目にあわせてはいけない。

 

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電話発注 ~応用編

今回の例は、あらかじめ定期便で納品をお願いしていた薬が至急必要になり、至急便に変更してもらう場合。

 

「お電話ありがとうございます。△△卸の、□□です。」

★Point★ 電話をかけたとき、かけた時間とオペレーターさんの名前をメモしておく。

 

『お世話になっております。◯◯調剤薬局です。』

 

「お世話になっております。」

 

『1点、事前に発注していた薬の、納期の変更をお願いしたいのですが。』

 

「うけたまわります。」

 

『◎◎OD錠、100mg、ヒート100錠入り、1本、です。こちら、明日の定期便でお願いしていたのですが、至急便に変更お願いしたいのですが。』


「復唱いたします。◎◎OD錠、100mg、ヒート100錠入り、1本。明日定期便から、至急の納品に変更でございますね?」

 

『間違いありません。それと、薬が到着する大体の時間が分かりましたら、教えていただきたいのですが。』

★Point★ 納品の予定時刻は別に確認しなくてもよいのだが、卸によっては至急の納品が忘れられている?ケースを何度か経験している。それで私は納品の予定時刻を教えてもらうようにしている。こうすると納品が忘れられるのを未然に防ぐことができる。

 

「うけたまわりました。では、納品時間確認をとりまして後ほど折り返しお電話いたします。ありがとうございました。」

 

『ありがとうございました。』

 

この後、配送センターから品物が出発するときに、何時ごろ到着になるのか、電話で教えてくれる。

 

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発注・納品の注意あるある

・発注は出前とは違うので、電話したからといってすぐに来てくれるわけではない。

薬局と卸の間には事前に契約が結ばれていて、納品時間や条件が決められている。たとえば「1日4回の定期配送」だったり「月、水、金のみの配送」だったりする。またもし、契約の中に「至急発注」や「大至急発注」があれば、電話の際に「至急(大至急)の納品でお願いします」と言えば、比較的早く納品はしてもらえる、が、タイムラグはあるので注意は必要。

 

ちなみに至急や大至急の発注が多いと、卸との値引き交渉に不利になるという話を聞いたことがある。が、真意のほどは不明。

 

・卸にも、取り扱いの無い医薬品、欠品している医薬品がある

最寄りの配送センターに在庫が無い場合ももちろんある。この場合、納入が翌日になったり、場合によっては数週間かかることもある。

 

それとは別に特に注意しなければいけないのが、特定の卸でしか取扱いのない医薬品(専売)があること。ざっくり言うと、現場の権限だけでは入手できない医薬品も存在する。患者さんや医師から医薬品の手配を頼まれたときは、まず入手可能かどうか確認をとること。

 

先輩から聞いた話だが、むかしは「漢方薬なら○○卸がたいていは在庫している」など、卸によって得手不得手があったという。が、現在私が近隣の卸さんを見ている限りでは。各配送センターの在庫は、センターの大きさや、その取引先で使っている薬に大きく依存していて、一丸には言えないと思う。

 

・卸と言っても1社のみから購入するのは稀

以上の理由もあり、薬局の多くは複数の卸と契約しており、医薬品によってどの卸に発注をかけるか、棲み分けをしていることが多い。

 

・卸とは、あらかじめ取引契約を結ぶのが普通

取引契約もしていない卸に突然電話をかけても、基本的に発注には対応してくれない。

 

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