【雑記】診療報酬改定に寄せて 2. 言われたからやるんじゃない。必要とされたからやる。

今回の診療報酬改訂では、いままで私たちが無料サービスで行っていることが多かった「あまってきた薬の調整」や「急きょの家庭訪問」などが、保険適応(お金を取ってよいサービス)として認められました。患者さんにとってはお金がかかってしまうことになり、デメリットに感じるかも知れません。が、例えば「急に手術することになり、血液サラサラの薬をパック(1包化)から抜いて飲むように言われたが、どの錠剤だか分からない。しかも病院からもらった薬で、聞ける人がいない。」こんなとき薬局に相談します。間違いの無いように処理してもらいます。お金がかかってしまいます。が、それで万が一薬局に不手際があれば、遠慮なく薬局を責めてよいということです。お金を払っているのですから。逆に薬剤師もコソコソせずに堂々と家庭訪問に行けます。薬剤師の判断で患者宅に駆けつけて手伝って良いことが明記されましたから。

 

遅ればせながら私たちの薬局も、4月から在宅業務に携わらせていただくことになりました。これからは毎月患者さんの家を定期訪問します。それに際し、関係者の方から激励の言葉をいただきました。「医師も看護師も歯科医師も患者の家に行っている。外に出ていないのは薬剤師だけだとバッシングを受けている。頑張って欲しい。」と。

 

激励はありがたかったのですが、少し違和感も感じました。確かに薬剤師に怠け者は多いです。また、在宅業務に参画させない、形だけの参画にして利益を優先する薬局経営者が多いのも事実です。

 

しかし、私は、薬剤師会や医師会にどやされたから、4月から患者さんの家に行くのではありません。患者さん本人や周囲の人が、「あなたが必要だ」と言ってくれたから行くのです。自分にできることをやるのです。

 

外来服薬支援なども「お上からやれと言われたからやる」のではなく、「今まで私たちが取り組んできたことに(患者さんには申し訳ないけれども)手数料がつくことになった。」という印象でした。

 

薬剤師と言わず医療従事者と言わず、社会を構成しているひとりひとりひとりが、超高齢化社会問題に取りくまなければいけないのでしょう。マクロに世の中を見なければいけないのでしょう。ですが、それ以前に「必要とされるからやるんだ。」と言う原理原則を忘れないで取り組んで行きたいと思っています。「仕事とは、人に感謝されるようなことをして、お金を貰うこと。」です。これは綺麗ごとではなく、真実です。だから、それらもひっくるめて。患者さんがよりよい暮らしをして行けるよう私は薬剤師として働いて行きたいと思います。

 

ただ「薬剤師が働かない。暴利をむさぼっている。」という指摘は、これは他の業種すべてにも言えることですが、確かに言われてもしょうがない部分はあるとは思います。

それと、患者さんが飲み忘れを起こすことは、担当の薬剤師としては恥ずかしいことだと思っています。コンプライアンスの改善は非常に難しい問題ですが、1錠でも飲み忘れを少なくしていきたいものです。

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オサ
著者:オーサーと申します。  大学病院の薬剤師、薬学部の職員を経て、今は北海道の薬局で管理者をしています。今度第二子が産まれます。  分かりやすい文章を第一に考え、ここでは小説のような、極力平易な文章で書くことにしました。  また文中では、我々が在庫管理を使用する場所のことを「現場」と書きます。基本的には「現場」=「採用品目数1000品目以下の調剤薬局」のことを想定して書いていますが、「病棟」「病院の薬剤科」などに置き換えてもある程度読めるよう、配慮して書きます。

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